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財団法人
函館地域産業振興財団
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TEL 0138-34-2600
FAX 0138-34-2601
参加企業プロフィール

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株式会社 古清商店

>> 企業データ

グループ企業で水産物のトータルプロデュース

 昭和14年、鮮魚全般の問屋業として創業した株式会社マルナマ古清商店は、昭和43年、冷蔵保管機能を持つ卸売業として事業を拡大。今では冷蔵・冷凍収容量も拡充し、多様化する物流のニーズに応え、世界の海で獲れた新鮮な魚介を、冷蔵保存から運送業務にいたるまで扱う総合卸売業として発展している。
 昭和61年には、水産加工部門の販売充実を図り、製造販売を行う有限会社マルナマ食品を、昭和63年には、主に鮮魚・冷凍品・塩干品を取り扱う水産物の仲卸業の有限会社マルナマ新洋を新設、マルナマグループとして連携した事業展開を行っている。

函館の“イカ”をもっとメジャーに

 古清商店では、新鮮な食材を使った「安心で本当に美味しいもの」を提供したいと、創業60周年の平成12年、ハイレベルの衛生設備を備えた新工場を建設。商品の試作開発を重ねている。
 「地域ブランド、産地ブランドとして函館のイカを日本一にしたい、そんな気持ちで商品開発に力を注いでいます」と4代目社長の古伏脇隆二さんは語る。新鮮なイカ独特のコリコリとした歯ごたえが感じられる、函館前浜で釣り上げたばかりの新鮮な真いかを素早く処理加工した「真いかそうめん」。釣り上げた真いかを生きているうちに船上で道内産昆布使用の特製醤油に漬け込んだ「活いか沖漬」。いずれも鮮度、食感、旨みを第一として、本物の味を追求する逸品。「活いか沖漬」は、平成15年第44回全国推奨観光土産品審査会で農林水産大臣賞(食品の部)を受賞。これからも、イカをはじめとした地場の素材を使った本物の味を追求し、食材選びから加工方法、衛生・管理面、発送に至るまでこだわり抜いて、函館ブランド、マルナマブランドとして魅力ある商品を提供していきたいと、意欲的だ。

新たな視点から見出した新商品「函館活〆するめイカ」

「全国の何処ででも、函館の地元で食べるイカと同じ状態の、獲れたての味と食感を味わって欲しい」と考えた古伏脇社長、生簀スルメイカ(生きたイカ)を加工せずに生鮮のままで流通できないだろうかと思案。道立工業技術センターと協力し、「活〆(かつじめ)イカ」の研究・開発に着手した。水揚げ直後に、イカの頭と胴をつなぐ神経を切断して“活き締め”にし、無菌海水と酸素を入れたロケット型ビニール包装パックに1匹ずつ入れて冷水輸送するという独自技術を開発。2005年8月には試験的に出荷までこぎつけた。
 イカは、通常、下氷した発泡スチロールの箱に並べて出荷するが、1日で白っぽくなってしまう。新技術では48時間以上も退色を防ぎ、新鮮さを保つことができるという。また、従来の活魚水槽トラックでの運送での「イカが墨を吐くと他のイカにダメージを与えてしまう」という問題も克服、輸送コストも抑えられるという。試験的に出荷した築地市場での試食では、「1日経っているのに獲れたてと思えるほど新鮮。生きている時の透明感そのままの体色を保ち、コリコリした歯ごたえで美味しい」と評価は抜群だった。
 「まだまだ解決すべきことは山ほどです」と話す同社長。鮮度保持時間の延長や流通方法、コストダウン、原材料の安定確保など、課題は多いという。

生産者との連携で最良を目指す

 イカ釣り漁には、普通の漁船と生簀付きの活漁船がある。活漁船では釣れたイカを船の生簀に入れて生きたまま市場へ運ぶ。この活漁船で運ばれた活イカのみを生簀イカと言い、活イカの中でも最上級のものとして扱われている。しかし、市場で生簀イカとして競りにかけられる量には制限があり、例えば6tの生簀イカの水揚げがあっても競りにかけられるのは3tまで、一定量を超えた水揚分は生簀イカとしては流通しない仕組み。「せっかく生簀で運ばれて鮮度抜群のイカをどうにかしたい」、同社では、そうした競りにかからない生簀イカを材料として、新機軸の商品にしようと試みてきた。
 一方、イカ釣り漁法の開発や、生簀での保存法の研究など、生産者である活漁船の漁師たちとも協力し、生簀イカをより鮮度の良いままで確保するための方策も模索している。
「これからの安全かつ良質の商品づくりには、生産者の皆さんの協力と理解がなくてはならない。最近は生産者も大層協力的で心強い」という。生産者との緊密な連携から、新鮮で美味しい函館のイカの魅力を存分に引き出した新商品の誕生が待たれる。


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