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有限会社 パテントワークス

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スポーツクラブで「ものづくり」のアイデア

 「高校生まで水泳・バレーボール・柔道などをしていた」と話すのは、パテントワークスの笠井文雄社長。スーツの上からでもわかる体格の良さは、今も続けているスポーツクラブでのトレーニングによって維持されている。同社が世に送り出した製品は、同氏のそんなトレーニングジムでの着想が元になっているものだ。
  長年「何か優れた『もの』を作って世に出したい」と思っていた笠井氏はある時、ジムで運動している人に、口で息を吸い口で息を吐く「口呼吸」が多いことに気付いた。本来人間は鼻を通して息を吸うことにより鼻毛や粘膜でほこりやウイルスなどが取り除かれ、ほどよく加湿された空気が肺に取り入れられるようになっている。口から息を吸う口呼吸ではこうした作用がないため、のどや肺を痛めたり、アレルギーや病気になりやすいとされている。だが現代人には誤った呼吸法である口呼吸が広がっている。健康に気をつけている人ですら例外ではない。 笠井氏は「体を鍛えるマシンはたくさんあるのに、呼吸を改善し心肺能力をピンポイントで高めるものが世の中にない」と気付いた。そこで考案したのが「鼻呼吸用トレーニングマスク ReBNA(レブナ)」だ。

ReBNA(Regain Breath & Natural Ability)の働きとは

 ReBNAは簡単に言うと鼻と口を覆うマスクである。特徴は、鼻と口の部分が仕切られているほか4つのバルブが付いていること。これによりReBNAを装着した人は鼻からしか息を吸うことができず、口からしか息を吐くことができない。つまり強制的に鼻呼吸をさせる効果があるのだ。口呼吸をしている人のほとんどは、自分では意識しないで口から息を吸っている。ReBNAには、強制的に鼻呼吸をさせることで鼻呼吸を体に意識させよう、体で覚えてもらおうという意図がある。
  ReBNAのもうひとつの働きは、呼吸筋のトレーニング効果だ。ReBNAを装着して鼻から息を吸う際には、バルブによる抵抗があるためより強く呼吸筋を使う必要がある。呼吸の際に十分に呼吸筋を使うことができるようになると肺により多くの新鮮な空気を取り入れることができ、結果として運動効果のアップや脂肪の燃焼などが期待できる。

製品化は苦労の連続

2003年頃からマスクの構想を温めていた笠井氏だが、製品化に当たってはかなりの試行錯誤を重ねたという。ReBNAは実はマスク本体とバルブ部分からなる非常にシンプルな構造をしており、簡単に分解し再び組み立てることができる。これは、繰り返し長く使ってもらうことを意図して誰でも丸洗いができるようにという考えによるものだ。そのためにはある程度の強度や耐久性が必要だ。だが、デリケートな顔に直接触れるものなので、柔らかくなくてはいけない。 この矛盾する命題を解決するため、笠井氏は大いに悩んだ。そしてあらゆる材質を試した。シリコンやゴムはアレルギーやにおいの点から退けられ、最終的に採用されたのは柔らかい上に強度も備えた特殊なプラスチックだった。苦心の末、一番薄い部分では厚さ1ミリを実現。顔にぴったりフィットするものが完成した。

広く世に浸透させるために

 「ReBNAは呼吸法改善に、そして呼吸筋を鍛えるのに役立ちます」と口で幾ら言ってみても、そうそう簡単に納得してもらえるものではない。そんな中で、トレーナー育成やジムの運営を行う日本パーソナルトレーナーズ協会はいち早くこの製品の可能性に着目した。そこで笠井氏は東海大学体育学部の恩田哲也Ph.D.と函館工業高等専門学校の森谷健二博士らの協力を受けて実証実験を実施。その結果、ReBNAの装着により深く大きな呼吸が得られるようになることや運動時の体脂肪減少率が高まることなどが実証された。


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