頑張っている企業HP

函館・道南では、地元の資源やオリジナルな技術を活用したユニークな企業が数多く活躍しています。
当ホームページでは、それらの企業を取材し、広く全国に向けて発信しています。

函館・道南の頑張っている企業紹介ホームページ
トップページ > 陸の地場産品 > 服部醸造(株)
服部醸造 株式会社
商標「マルハチ」の由来
専務取締役 服部由美子↑代表取締役 服部由美子さん
明治維新後、北海道には全国から旧藩主による開拓団が組織されたが、道南の八雲には尾張徳川家が家臣団を引き連れて入植した。明治16年、開拓地の自給自足と地元住民の食生活安定のために徳川家の命で味噌・醤油の製造が着手されたが、その際に商標として用いられたのが尾張八郡を象徴する印「丸八」(マルハチ・現在は名古屋市の市章ともなっている)。明治21年、先祖代々徳川家に仕えていた服部家は名古屋から八雲に移住し、酪農、大豆・でんぷん栽培、ソース製造を開始した。そして昭和2年の服部醸造の創業にあたり、伝統の「マルハチ」を受け継いで今日まで続いている。
この「マルハチ」印は一見、漢数字の「八」と読むことができるので「八雲」の「八」と勘違いされがちだが、本来は「2羽の鳩」が向き合っている形を表現しているという。
「服部醸造(株)」の場所を地図で確認できます。
創立 1927年
代表者 代表取締役 服部 由美子
住所 〒049-3105
北海道二海郡八雲町東雲町27番地
TEL (0137)-62-2108
FAX (0137)-63-3588
E-mail maru8-y@gol.com
URL https://www.maru-8.net/
従業員 25名
年商 4億円
資本金 2,500万円

服部醸造 ロゴ

▲「2羽の鳩」が向き合っている形を表現している
 
大豆製品を作る「北海道メーカー」として
服部醸造は道内の醸造業者大手メーカーの一角として道南の八雲町に工場を構えている。同社は道南一帯を主な販路として、味噌、醤油等の大豆製品を製造・供給している。大規模の醤油・味噌工場は道南には服部醸造の他一社(道南食糧工業-函館)しかないため、道南での味噌・醤油の販売シェアは高い。(年間生産量は約1,500t)
味噌・醤油は日販品で、消費量も底固い。そのため、設備・マネジメントがしっかりしていて、高い品質を保てる安定した供給体制が必要となる。一方、最近では消費者の嗜好の多様化もあり、製品の価格帯は上下に拡大しがちだ。服部醸造でも、日常的に使用する「OK味噌」のような普及価格帯の商品から、北海道みそ「舞」のような高級味噌まで取り揃えることで、消費者の幅広いニーズに対応してきたが、今では薄利多売の考え方を止めて、「OK味噌」も特売を行わず品質を上げ価格も適正化した。
もちろん、原料にもこだわる。大豆、米はすべて道産。塩は国産。また、すべての味噌には八雲町熊石の海洋深層水を塩分の一部として使用している。その、こだわりは後述の「オール八雲みそ」に結晶している。
OK味噌
▲工場内

北海道味噌「舞」
▲北海道みそ「舞」
 
味噌、醤油だけじゃない新たな大豆製品への取り組み
服部醸造では2011年4月から、地元の地域資源を活かした味噌・醤油製品開発に取り組んでいる。社員が鍋愛好家の為に開発した「鍋日和~なべみそ~」は、道東の昆布粉末と自慢のダシ味噌で肉と魚どちらにも合う冬の人気商品。米こうじの有効成分を抽出した”こうじ水”と北海道産ビート糖を配合した炭酸飲料「こうじ水サイダー」はそのまま飲むのはもちろん、レモンやワインなどの酒で割るのにも向いているという。青函連携で作った「にんにく醤油」(新青森開業の機会に有名中国料理店「脇屋」と共同開発)は幅広い料理に使える万能調味料だ。そして「忍者プリン」は自慢の味噌をホイップとプリンタネに使用したユニークな”味噌プリン”。他にもまんじゅうやせんべいなどのお菓子にも積極的に味噌味などを取り入れており、日本人に馴染みのある味噌、醤油の伝統的な味を他のジャンルの製品に応用し、オリジナルな味を創りだしている。「高級路線の製品はこだわりの嗜好品なので、お客様にきちんと納得してもらってから買っていただきたい」と由美子さんは語る。


 
地元素材100%にこだわる「オール八雲みそ」
農商工連携にも認定された「オール八雲みそ」は全国でも数少ない地元原材料100%にこだわって作り出した味噌である。
八雲町は平成17年の合併により旧八雲町、旧熊石町が一体になり、日本で唯一、太平洋(内浦湾)と日本海に面する町となり「二海郡」という名前がついた。この合併により八雲町単独で良質な大豆、米、水(海洋深層水)、塩を揃えることができるようになった。
まず大豆。旧八雲地区からは粒が大きく肉厚で、甘味も強く、味噌の原料として大変優れている大豆がある。大豆は元々連作に不向きで、大規模生産地では大豆が痩せてしまうことが多い。しかし八雲の酪農地帯は肥沃な土壌で連作を避けた農法でふくよかな大豆が生産されている。
米、水、塩は旧熊石地区のものを使用している。水、塩に関してはミネラル分が豊富な熊石地区の海洋深層水と塩を使用している。熊石の海洋深層水は熊石沖水深300mの「日本海固有水」と称されるもので、水温が低く安定しているため、酸素の含有量が多く、さらにミネラルがバランス良く含まれ、栄養が豊富な、不純物の少ない清浄性が特徴とされる。
いずれの素材も希少性が高いものの、地の利を活かし、安定した調達が可能になっている。
オール八雲みそ
▲オール八雲みそ

 
今後の展開について
日本独特の食文化である味噌、醤油の発酵・醸造技術はまさにバイオテクノロジーの賜物であり、最近は世界中でも認められつつある。かつては多くの町村にあった味噌・醤油メーカーだが、全国規模の大メーカーに押されて、地場のメーカーはいまや道南で2社しかない。「だからこそ、北海道開拓時代から続く伝統を大切にし、新たな製品、販路等を求めつづけていく使命がある」と服部社長は語った。
最近注目の話題としては道南の高速道路が大沼ICまで延長されたこと。同社ではすでに各種製品を八雲町内のサービスエリアに隣接の八雲「丘の駅」で販売している。この区間延長によりさらに高速道路の利用者が増えていくことが期待される中、「当社の独自製品を直接購入して頂く貴重な機会を活用し、他の地場製品ともども積極的にPRしていきたい」と力強く結んだ。