頑張っている企業HP

函館・道南では、地元の資源やオリジナルな技術を活用したユニークな企業が数多く活躍しています。
当ホームページでは、それらの企業を取材し、広く全国に向けて発信しています。

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曲正 北島製パン株式会社
設立時はこんにゃく屋
代表取締役 北島孝雄↑代表取締役 北島 孝雄さん
曲正 北島製パン株式会社の前身はこんにゃく製造業。昭和38年5月に株式会社化し、パン製造・卸売業を始めている。当時は未だ大手のパン製造企業の参入などはなく、木古内周辺では曲正 北島製パン株式会社が唯一のパン製造業者だった。以来、半世紀に渡り近隣住民の愛顧を受け続けている。

「曲正 北島製パン株式会社」の場所を地図で確認できます。
函館へ進出
昭和52年現社長の北島孝雄氏が入社。その同じ頃ナショナルブランドの大手パン製造企業も函館へ進出してきた。北島製パンも昭和57~58年にかけて上磯から函館へ進出する。函館に進出した北島製パンはびっくり市(当時、昭和地区にあった土日のみ営業の商業施設)での大量販売で一気に知名度を上げていく。また、平成12年4月には、別会社㈱キタジマを設立し、木古内と函館の2社体制となった。
創立 昭和38年 5月
代表者 代表取締役 北島孝雄
住所 【曲正 北島製パン(株)】
(本社・工場)〒049-0431
北海道上磯郡木古内町字木古内192-4
(直営店)〒049-0422
北海道上磯郡木古内町本町330 -4

【(株)キタジマ】
〒041-0824
北海道函館市西桔梗町855-1
TEL (01392)2-2200(本社)
FAX (01392)2-5452(本社)
E-mail kitajima@axel.ocn.ne.jp
URL https://kitajima-pan.com/
 
大手パン製造企業とコンビニエンスストアの進出
大手の参入によりパン製造のビジネスモデルは一気に変わった。大手業者は大規模工場で製造したパンを遠隔地に配送する。包装された日持ちするパンは、価格面での競争力が極めて高かった。一方で24時間営業のコンビニの出店攻勢が強まり、そのコンビニが大手パン製造業者の製品を扱うことで、「地元のパン製造業者→食品・雑貨店での小売」という形態はさらに追い込まれていった。また、パン焼設備を店舗に併設した「焼き立てパン」の業態が近年都市部を中心に台頭したことも既存の地元製パン業者には逆風となった。道南地域で工場を持ち、パン製造を行なっている地元企業は今や北島製パン一社のみとなった。
木古内工場 菓子パン製造ライン
▲木古内工場 菓子パン製造ライン
 
業態変更「製造小売へ
大手の進出によりシェアが減少していく中で、平成19年、北島製パンは製造卸から製造小売(事実上の「焼き立て」パン業態)への業態変更に踏み切った。まず人員を刷新、不要な機械などは処分し、小売向けの新しい設備を導入した。
卸売業時代のパンは乳化剤を加えることで柔らかい状態を2~3日保持するというものだった。しかし小売業への進出を期に、同社では乳化剤を使用しない焼きたてパン特有の品質を求めた。焼きたてパンは日持ちがせず、ラッピングも難しいため輸送に向いていない。同社は直営店舗と直接配送による販売に切り替えた。
 
 
学校給食パン、米飯工場
一方で、函館・桔梗に工場のある別会社の㈱キタジマは給食用に特化。函館市内及び道南の大半の小中学校の給食として食パンや米飯の調理・製造・配達まで一貫して行っている。学校給食では毎日決まった時刻に決まった量の製品を確実に納めなければならない。そのため工場は毎日朝5時頃から稼働、米飯は即日、パンは翌日に配送している。パンの製造にあたって保存料等はまったく使用しないので、工場内の品質管理や衛生管理は極めて徹底している。
(株)キタジマ パンの製造ライン
▲(株)キタジマ 給食用パンの製造ライン
 
「塩カステラ」の開発
業態変更に合わせて北島製パン木古内工場はスイーツ事業に力を入れている。函館の看板スイーツを目指し、土産物にもなる木箱入りの「箱館塩かすてら」の製造・販売を始めた。商品化まで1年半かけて試行錯誤を繰り返した。元々甘いイメージが強いカステラに塩をいれるという発想はかなり大胆であったが、塩で甘さを引き立てることに成功した。その努力が実り、カステラの本場長崎県の平戸で2010年に実施された「カステラサミット」に北海道から唯一参加することになった。カステラは長崎を訪れたポルトガル人宣教師が持ち込んだともいわれ、長崎の名物。同じ開港都市でハイカラ文化の伝統のある函館にもゆかりがある筈だ。こうした歴史を背負った文化の味を函館から発信してくことが、この「塩かすてら」に寄せる思いだと社長は熱を込めて語る。
箱館塩カステラ
▲箱館塩かすてら
   
北海道新幹線開業に向けてあらたな飛躍
平成28年3月開業の北海道新幹線、青函トンネル通過後最初の駅となる木古内駅を起点とする地域活性化事業は同社にとっても大きなビジネスチャンスだ。
巨大な駅舎に建て替わった新駅前にある同社の、焼きたてパンとスイーツを販売する直営店は2014年11月に全面リニューアルし、お洒落な外観と店内に生まれ変わった。真向かいに新規開業(28年1月)の観光交流センター「みそぎの郷(さと)」にも同社のスイーツなどが置かれる。同社の北島社長は観光協会のトップとしてセンターの計画・運営にも指導力を発揮する。さらには増改築された本社・工場は新駅北口にも直結、今後の事業拡張への布石も着々と打たれている。
リニューアルした駅前の直営店
▲リニューアルした駅前の直営店

新幹線木古内駅北口の本社・工場
▲新幹線木古内駅北口の本社・工場