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海外出張報告

出張者 : 研究開発部 応用技術支援グループ 主査 小西靖之                         訪問先 : パレルモ(イタリア)                                       日 程 : 平成24年6月21日~6月29日
3rd International Conference on Industrial  Biotechnology(IBIC2012)に参加し、函館マリンバイオクラスター事業の成果の発表と、関連技術の調査を行ってきました。IBIC2012は、食品工学及びバイオテクノロジー関連の国際会議です。函館マリンバイオクラスター事業の成果については、「The New Evidences Driver from a Consecutive Reaction Model for The Maillard Reaction」のタイトルで、食品脱水工程中の製品色と風味の変化の相関性について報告しました。聴衆者からは、評価結果の食品加工への具体的な応用性、風味の評価方法、味覚センサーデータの扱い、最適操作における食品水分種の役割などの様々な質疑があり、関連研究者からも注目されました。また、関連技術として、オレンジやオリーブなどの機能性成分の食品加工工程での変質や量的変化の評価報告、食品原料の保存温度の機能性成分や品質への影響評価の報告が多数あり、評価技術などについての情報を得ることが出来ました。これらの関連技術は、今年度の取り組みに反映させる予定です。
報告内容要約

食品の乾燥工程に於いては、脱水の進行及び空気との接触時間の経過とともに、食材中では非酵素的、あるいは酵素的反応が進行し褐変反応を示すことが多い。こうした褐変反応は、食品の品質変化と密接な関係にある。従ってこの褐変反応を定量的に解析できれば、食品の品質設計に極めて有効である。本研究では、風味と製品色が重視される長ネギの乾燥を例として、乾燥工程中の製品色の変化を逐次反応モデルを用い、製品色変化の評価パラメータの抽出、褐変変化の定量的な解析、風味と製品色の両特性を良好化出来る非定常乾燥操作の設計を行った。
(写真)研究発表する小西主査