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平成28年 6月号

こんなことができます

冷風乾燥機((株)クールドライマシナリー ミニカン21)

 

冷風乾燥機は、熱に弱い色素や栄養成分などを保持したまま低温で乾燥することができる装置で、水産物の一夜干しのような軽度の乾燥品や、乾燥野菜などの試作に用いられます。

装置の概要
乾燥温度:10〜40℃
冷蔵温度:5℃
試料台面積:538mm×375mm 8枚(水平流/垂直流 各4枚)

ステンレス製の網の上に試料を載せて乾燥するほかに、軽量で風に吹き飛ばされてしまうような試料はセイロに入れた状態で乾燥することができます。プログラム設定により乾燥中に温度や湿度を変更できる他、乾燥後に冷蔵運転する事も出来ます。風量は無段階調節が可能です。少量の試作に、特に使いやすい装置です。

ご質問やご相談がございましたら、当センターへお気軽にご連絡ください。

【お問い合わせ】 研究開発部食産業技術支援グループ 吉岡 ℡(0138)34-2600

(写真)冷風乾燥機

トピックス(H2806)

平成28年度事業計画から

北海道立工業技術センターでは、地域企業の技術の高度化や新製品の開発を支援するため、研究開発、試験分析、技術相談、研修、技術情報提供、広報、函館地域産業化支援などの事業を行っています。今回は、平成28年度実施予定の事業計画の中から研究開発事業、函館地域産業化支援事業のテーマをご紹介します。

 

研究開発事業

北海道と函館市から委託される研究開発事業は、地域企業の技術の高度化、新製品の起業化及び地域ニーズに即応した先端技術分野における応用技術の研究開発を推進することを目的に実施するもので、研究開発期間は、3~4年を目途としています。

 

分  野:ものづくり技術支援グループ
実施年度:平成26年度~平成28年度
テーマ :自律駆動型太陽追尾システムに関する研究
概  要:太陽光発電では、太陽の日周運動に合わせて発電パネルが追従すれば大幅に発電 効率がアップするが、既存の     電動機を用いた太陽追尾装置は高コストで自身が電力 消費するという問題がある。駆動源に水素吸蔵合金アクチュエータ  を用いることで、電源不要で低コストな自律駆動型太陽追尾システムの技術開発を目指す。

 

 

分  野:ものづくり技術支援グループ
実施年度:平成28年度~平成30年度
テーマ :地域産業向けワイヤレス技術プラットホームに関する調査研究
概  要:ワイヤレス技術の発展に伴い、農・水産分野、建設分野および福祉分野等でも積極的に導入されるようになってきた。ものづくり系の企業では、これらの分野等をターゲットに、光・電波・超音波等を利用した研究開発に取り組んでいる。顧客ニーズに特化した仕様は多種多様であっても、その調査・検討内容は共通なものである。本研究の成果は、地域企業との共同研究等を通じ、研究開発を効率的且つ効果的に遂行するために活用する。

 

 

 

分  野:応用技術支援グループ
実施年度:平成27年度~平成28年度
テーマ :粉末冶金法のバイオ・メディカルマテリアルへの応用に関する調査研究
概  要:3Dプリンタや金属粉末複合加工機の出現により、粉体を製品化する技術(粉末冶金技術)が急速に発展しており、これらの技術を用いたバイオ・メディカルマテリアル製造の可能性について調査を行う。

 

 

 

分  野:応用技術支援グループ
実施年度:平成26年度~平成28年度
テーマ :天然物由来高分子系材料の開発
概  要:プラスチック材料は化石資源から合成されているが、大量に発生する一次産業の副資材では、廃棄方法が問題化するなど環境負荷が大きい。これを解決するため天然物を原材料として合成する高分子材料を開発する。さらに、この高分子材料を高付加価値化な工業用素材、医薬化粧品用素材などに応用する技術を検討する。

 

 

 

分  野:ものづくり技術支援グループ
実施年度:平成27年度~平成29年度
テーマ :高誘電材料の作製プロセスに関する研究
概  要:無機エレクトロルミネッセンスの高輝度化を目指して、熱処理による誘電体粉末の
誘電率向上について調査・検討を行い、得られた高誘電率の材料を用い、無機エレ クトロルミネセンスを作製し、その発光特性を調べる。

 

 

 

分  野:応用技術支援グループ
実施年度:平成26年度~平成28年度
テーマ :食品加工におけるプリプロセッシングの高度化に関する研究開発
概  要:食品加工では様々な処理が行われているが、特に農産物素材などの食品の乾燥操作では、どの前処理をどのタイミングで行うかというプリプロセッシング(前工程)が製品品質に大きく影響を与える。プリプロセッシングによる乾燥製品の品質、保存性への影響を明らかにする。

 

 

 

分  野:食産業技術支援グループ
実施年度:平成26年度~平成28年度
テーマ :食品微生物の特異的定量システムの開発
概  要:培養併用FISH法を応用して、様々な食品の迅速細菌検査に対応可能なマルチ蛍光 スペクトル計測装置を開発しているが、検査工程の省力化と校正法の確立が必要である。吸引ろ過工程の省力化のための試料懸濁液の簡易吸収機構や装置の校正用試料の開発を含めた校正方法を開発する。

 

 

 

分  野:食産業技術支援グループ
実施年度:平成26年度~平成28年度
テーマ :地域バイオ資源の機能性の利活用に関する研究開発
概  要:海藻含有の機能性成分フコキサンチンとフコイダンについては、函館地域で多くの関連食品開発が進んでいるが、この機能性をアピールするための表示や分析データの開示等について地域企業を支援するため、分析法の標準化確立を目指し、素材のみならず各々の加工食品に適した分析法を開発する。

 

 

 

分  野:食産業技術支援グループ
実施年度:平成26年度~平成28年度
テーマ :食品製造・加工における環境型の同定検査技術の研究開発
概  要:食品製造業では異物混入や変敗等のクレームへの迅速な対応が求められており、原因究明に役立つ同定検査技術に対する必要性が高まっている。これまでの同定検査では環境負荷の高い薬品を使用することや同定に時間を要することが課題となっており、低環境負荷でかつ迅速な同定検査法を開発する。

 

 

 

分  野:食産業技術支援グループ
実施年度:平成27年度~平成29年度
テーマ :栄養機能情報を活用した道産水産資源の新需要創出に係わる研究開発
概  要:主にコンブを始めとした道産水産資源について、①新たな栄養機能成分を探索するための評価技術開発、②有用成分の特性評価、③生産利用条件がその特性に及ぼす影響に係る検討を行うことにより、これまでに知られていない新たな食品科学的機能に基づく訴求点を探求して新需要の創出を図る。

 

 

 

地域産業化支援事業費

地域産業化支援事業は、函館地域において産学官の連携を推進し、大学や工業技術センターの技術シーズを地域企業へ移転することにより、新製品や創製や新事業の創出を目指すものである。

分  野:食産業技術支援グループ
実施年度:平成27年度~平成28年度
テーマ :地域食品素材の香りの利活用に関する研究開発
概  要:地域の食品素材や未利用資源等について、香りの特徴の評価を行う。さらに素材等の特性に応じて、賦香剤の試作を行う。また、食品製造において香りを積極的に活用するために、従来製品のにおい・香りの特徴を把握し、利活用するための基礎 データとする。

 

 

 

分  野:ものづくり技術支援グループ・応用技術支援グループ
実施年度:平成27年度~平成28年度
テーマ :海獣忌避技術の産業化
概  要:平成26年より「地域のものづくり産業強化力対策事業」にて実施している海獣忌 避装置の音質制御技術に関する検討結果を活かし、忌避音源仕様の検討から製品化 を見据えた試作を行い、実験・検証によって事業化検討を実施することにより、地 域企業が研究開発した技術の産業化支援を図る。

平成28年度北海道立工業技術センター研究成果発表会開催

日 時:平成28年5月18日(水)13:30~19:00(交流会含む)
場 所:ロワジールホテル函館
参加者:124名

5月18日(水)ロワジールホテル函館で工業技術センター研究成果発表会を開催しました。 三浦センター長の開会挨拶に続き、企業や大学との共同研究などの成果7題を発表しました。 海のパセリ、昆布の若芽、ふりかけ製品等の試食、DNA解析によるコンブの原産国判別法の開発、水産海洋情報の新規サービスの研究開発等のパネル展示を行いました。さらに、(地独)北海道立総合研究機構 食品加工研究センターから「乳製品製造に利用する、取扱いやすい顆粒状乾燥菌体の開発」に関するポスターの展示をしていただきました。来場者の皆様からたくさんの貴重なご意見をいただき、今後の研究開発の参考とさせていただきます。引き続き開催した交流会でも産学官の参加者が情報交換等を行いました。多くの方々にご参加いただき大変有意義な発表会となりました。

 

発表演題と発表者は、下記の通りです。

1.水素吸蔵合金を利用する太陽追尾システムの基礎技術開発
松村一弘(ものづくり技術支援グループ)
太陽電池の発電量増加につながる運用面の入射光制御の改善として、わずかな温度差で放出水素圧力が変化する水素吸蔵合金の特性を活用した無電源で自律駆動する太陽追尾システムを考案しました。この原理実証と実験結果の概要について報告しました。

 

 

2.省エネタイプ無機ELランプの先進的な製造技術の開発
菅原智明(ものづくり技術支援グループ)、神田大(株式会社エルフィン)
ディスペンサー塗布ロボットによる無機ELランプの先進的な製造技術開発に取り組み、少量多品種に適した省エネタイプの光る広告パネルを試作しました。製造方法の特徴、試作品の特性及び耐久性能について報告しました。

 

 

3. ゼニガタアザラシの忌避技術に関する研究開発
村田政隆(ものづくり技術支援グループ)、柏谷和仁(株式会社仁光電機)
近年、水産業では海獣被害が深刻化する中、えりも地域では、希少種で観光資源でもあるゼニガタアザラシによる漁業被害が甚大となっています。そこで、水産業と海獣との共生技術としての音によるゼニガタアザラシの忌避技術について模索した取組みについて紹介しました。

 

 

4.未利用海藻の食品安全性試験
青木央(食産業技術支援グループ)
食経験のない海藻は食品としての安全性を確かめる試験を行い、可食性を評価する必要があります。そこで、未利用海藻のウガノモクについて、微生物、培養細胞、小動物を用いた5つの試験を実施し、食品素材としての研究開発の方向を探った事例を紹介しました。

 

 

5.海藻のフコキサンチン分析
鳥海滋(食産業技術支援グループ)
フコキサンチンは海藻(褐藻類)に含まれるカロテノイド色素であり、肥満や糖尿病予防効果などの機能性が注目されています。海藻素材を利活用するためのフコキサンチン分析方法と、分析例について紹介しました。

 

 

6.マルチ蛍光スペクトル分析FISHFCによる食品衛生細菌迅速一括検査システムの商品モデル開発
大坪雅史(食産業技術支援グループ)
これまでFISHFCを応用した食品衛生細菌の迅速計測法を検討してきました。今回、マルチ蛍光スペクトル分析により蛍光信号と食品由来のノイズを区別して様々な食品に対して検査を可能にしたシステムを開発したので紹介しました。

 

 

7.船上スラリーアイス冷却によるシロザケの鮮度保持
吉岡武也(食産業技術支援グループ)
スラリーアイスは、海水や食塩水を-2.5℃程度に冷却したシャーベット状の氷で、魚体を急激に冷やすことができます。水揚げされたシロザケを漁船上でスラリーアイス冷却した際の鮮度保持効果とそのメカニズムを報告しました。

 

(写真左)(株)エルフィン神田大氏(右)と研究開発部研究主査菅原智明(左)

(写真右)(株)仁光電機柏谷和仁氏(右)と研究開発部研究主任村田政隆(左)

 

(写真)試食、展示コーナーの様子

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