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令和7年度事業計画から

北海道立工業技術センターでは、地域企業の技術の高度化や新製品の開発を支援するため、研究開発、試験分析、技術相談、研修、技術情報提供、広報、シーズ活用支援事業などの事業を行っています。今回は、令和7年度実施予定の事業計画の中から研究開発事業のテーマをご紹介します。

 

研究開発事業(高度技術開発・応用研究事業)

 

北海道・函館市・北斗市・七飯町の補助を受け実施する研究開発事業は、地域企業の技術の高度化、新製品の起業化及び地域ニーズに即応した先端技術分野における応用技術の研究開発を推進することを目的としており、研究開発期間は、2~3年を目途としています。

 

テーマ:地域製造業向けオープンソースロボットハンドモデルに関する研究

分  野:ロボテックグループ

実施年度:令和5年度~令和7年度

概  要:地域の製造業でニーズが高い食料品製造業向けのロボットの技術開発のために、3Dプリンターで作製可能な地域製造業向けオープンソースロボットハンド基本モデルに関する研究開発を行う。

 

テーマ:地域製造業の生産性向上支援に向けた異常検知手法に関する調査研究

分  野:ロボテックグループ

実施年度:令和7年度~令和9年度

概  要:製造業において生産性の向上を図るには、製品歩留まりや設備稼働率の改善等が不可欠で、種々の異常を迅速に検知することが重要であることから、機械学習手法等の検討を通した異常検知技術に係る研究開発を行う。

 

テーマ:地域製造業向けIoTのヒューマンインタラクションに関する研究

分  野:ロボテックグループ

実施年度:令和5年度~令和8年度

概  要:地域製造業における効率的かつ効果的なDX技術導入のために、地域製造業のDXに対する課題調査、生産、ヒト、環境要素の課題調査、HI(ニューマンインタラクション)の整理およびIoT試作仕様検討、IoTの試作実験およびHI検証等を行う。

 

テーマ:スパッタ法を用いた薄膜製作技術に関する研究

分  野:マテリアルテックグループ

実施年度:令和6年度~令和7年度

概  要:半導体薄膜の作成や機械金属の耐摩耗性・防食性を高めるための表面処理に用いられるスパッタ法について、函館地域の真空装置メーカーが開発したスパッタ装置を用いて、薄膜作成条件の調査検討を行う。

 

テーマ:相対湿度制御した効率的な乾燥装置技術に関する研究開発

分  野:マテリアルテックグループ

実施年度:令和5年度~令和7年度

概  要:相対湿度制御による効率的な乾燥装置技術の構築を目的に、相対湿度制御時の乾燥特性評価、相対湿度の周期操作の乾燥特性評価、乾燥製品の品質評価などを行い、地域食品素材のための高品質な乾燥装置技術の研究開発を行う。

 

テーマ:高付加価値化を目指した水産物の鮮度保持技術に関する研究開発

分  野:フードテックグループ

実施年度:令和7年度~令和9年度

概  要:和食の普及により、アジアを中心に高鮮度の日本産生鮮水産物の需要が高まっていることから、刺身として食べられることを示すことができる品質項目等について調査・検討し、その高鮮度化と刺身可食期限の延長を実現する研究開発を進める。

 

テーマ:海藻成分を利用した油脂素材の製造技術開発

分  野:フードテックグループ

実施年度:令和5年度~令和7年度

概  要:生の海藻を原料とした、海藻中の機能性成分を含有し風味に特徴がある海藻油の簡易な製造技術について、抽出方法の最適化や海藻油の洗浄工程などの検討開発を行う。更に、得られた海藻油の品質評価技術の開発も行い、地域の食品企業に技術移転する。

 

テーマ:レトルト殺菌技術を応用した冷蔵食品の開発に関する研究

分  野:フードテックグループ

実施年度:令和5年度~令和7年度

概  要:道南地域に集積するレトルト殺菌装置を活用した保存性の高い冷蔵食品の開発のために、試作試験、殺菌後・保管後の品質等の評価を行い、高品質な長期保存冷蔵食品の製造に適した条件を整理し、その成果を用いて地域企業への技術支援を行う。

テーマ:道南地域の果実加工残渣の食品利用法開発に関する研究

分  野:フードテックグループ

実施年度:令和6年度~令和8年度

概  要:道南地域の果実加工残渣の食素材への有効利用を目指し、新たな製品開発に関する技術知見の収集を目的に、道南地域のブドウ等の果実をモデル系として、粉末化やペースト化などの加工方法の検討を行う。また、機能性成分情報の整理を行い、得られた知見を基に地域企業への技術支援を行う。