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平成23年 6月号

こんなことできます

 企業の新技術・新製品の開発などに北海道立工業技術センターの設置機器をご利用いただくために、機器をシリーズで紹介しています。

DNAの塩基配列を調べることができます。

DNAシーケンサ

 基本使用料(最初の1時間)54,100円、2時間目以降(1時間毎)770円、(それぞれ税込)

   DNAには生物の形態や性質を決定する遺伝情報が含まれています。遺伝情報はDNAの構成物質である塩基の並び方(塩基配列)によって決まりますが、同じ遺伝子でも生物の種類で塩基配列は異なります。
  DNAシーケンサは、この塩基配列を調べることができる分析装置であり、食品の試験分析では微生物の種類を特定するのによく利用されています。通常、微生物の種類を特定するには、形態的な特徴(コロニーの色や形状、細胞の形)と生理生化学的性状(生育温度・pH、栄養源となる糖の種類)などを培養や顕微鏡によって調べなければならず、結果を得るまでに日数がかかります。一方、DNA分析ではそれよりも比較的短い時間(2日程度)で種類を特定できることから、多くの分析機関で普及が進み利用されています。また最近では食品に使用している原料の品種や産地の判別にも利用されている分析装置です。

 ※ご興味のある方は、研究開発部 食品技術科 清水までご連絡ください。

 ℡ (0138)34-2600

DNAシーケンサ

平成23年度事業計画から

 北海道立工業技術センターでは、地域企業の技術や高度化や新製品の開発支援するため、研究開発、試験分析、技術相談、研修、技術情報提供、広報、函館地域産業化支援などの事業を行っています。
 今回は、平成23年度実施予定の事業計画の中から、研究開発事業、函館地域産業化支援事業及び研修事業のテーマをご紹介します。

研究開発事業

      区   分     分   野                              テ ー マ     実施年度
 研究開発事業 機械電子技術 食料品製造業における工学的インプルーブを適応した自動化に関する調査研究 H23~H25
水産・海洋産業向け水中無線通信技術の研究 H22~H24
材料技術 傾斜機能耐摩耗工具材料の開発 H21~H23
バイオマスを利用した高分子材料の開発 H23~H25
プロセス技術 真空を応用した光機能材料の薄膜プロセスに関する研究 H21~H23
食品加工プロセスにおける品質評価手法に関する研究 H23~H25
バイオテクノロジー 食品の微生物制御に関する研究開発 H23~H25
地域農水産資源の機能性探索に関する研究 H23~H25
食品技術 地域伝統食品の品質向上に関する研究開発 H23~H25
素材特性を生かした地域水産資源の高付加価値化に関する研究開発 H21~H23
地域産業化支援事業※ 食品技術・バイオテクノロジー 発酵技術による低利用水産資源の高付加価値化に関する研究開発 H23~H24
材料技術 超微粒子超硬材料の製造技術と製品化に関する産業化支援研究 H23~H24

※地域産業化支援事業 : 地域における産学官の連携により、大学や北海道立工業技術センターの技術シーズの地域企業への移転を促進し、新製品や新事業の創出を図ることを目的とした事業

研修事業

            区  分        分  野                       テーマ     開催日      定員
 一般技術研修  短期 共通 研究成果発表会 6月15日 100名
バイオテクノロジー 第10回食品・バイオ技術講習会「最新ヒット食品解説」 6月1日 40名
食品技術 第3回食品技術研修会「放射性物質と農水産物の安全」 6月21日 40名
材料技術 材料技術研修会 10月頃 30名
プロセス技術 太陽光発電システム講習会 10月頃 20名
機械電子技術 「制御計測技術」研修会 7月6日 20名
 個  別  共通 食品の加工・品質評価、工業材料・部品等の試作・評価、測定、試験用機器の活用方法等の個別的な技術ニーズに対応  随  時

注)開催を予定している研修会については、今後、テーマ名並びに実施時期が変更になることがあります。なお、「個別」は、個別技術研修の略です。

トピックス(H2306)

平成23年度北海道立工業技術センター研究成果発表会開催

    6月15日(水)ロワジールホテル函館で工業技術センター研究成果発表会を開催しました。三浦センター長の開会挨拶に続き、企業や大学との共同研究などの成果8題を発表し、クルマバソウアイスクリーム、タマフクラ、ホッケ飯の試食、アピュアの体験コーナーも大勢の人で賑わいました。引き続き開催した交流会でも産学官の参加者が情報交換等を行いました。

発表演題と発表者は、下記のとおりです。

1 フコイダンを利用した創傷被覆保護材の研究開発
                                     青木 央(食品技術科)

2  海洋細菌による生鮮海産物の品質低下と制御
                                     鳥海 滋(バイオテクノロジー科)

3  T-RFLP法による食品中の菌叢解析に関する検討
                                     清水健志(食品技術科)

4  当センターにおける粉体評価技術に関する技術相談事例
                                    田谷嘉浩(研究開発部)

5  スルメイカ蓄養中におこる品質変化
                                    吉岡武也(研究開発部)

6 刃物用途を目的とした機能性耐摩耗工具材料の開発
                                     高橋志郎(材料技術科)

7 インジウム – スズ系酸化物透明電極の劣化解析
                                     菅原智明(プロセス技術科)

8 座ってバランス機能を鍛える「apyua」の開発
                                     笠井文雄((有)パテントワークス)
                                     村田政隆(機械電子技術科)

 

 
(写真左)三浦センター長挨拶  (写真右)(有)パテントワークス笠井文雄社長(左)村田研究員(右)


試食・体験コーナーの様子

 

海外出張報告

出張者 : 研究開発部 プロジェクト推進科 科長 小西靖之

訪問先 : フィレンツェ(イタリア)

日 程 : 平成23年5月6日~5月14日

フィレンツェで開催された国際会議ⅠCheaP-10(The tenth international Conference on Chemical & Process Engineering)で函館マリンバイオクラスター事業にて明らかにした、食品水分種状態により食品品質の制御を行う食品品質設計技術の成果を報告し、同様な研究者からの意見を求めると共に、類似の研究状況の情報収集を行いました。
 ⅠCheaP-10は化学工学及びプロセス工学の国際会議で、食品工学に関する報告も多数行われます。今回は、第10回目で563件(54ケ国)の報告申し込みがありその中より論文審査により260件(46%)が採択され、口頭報告が158件、ポスター報告が102件ありました。
成果の公表は、5月9日のFoodセッションで「Dynamism of Water Species as a Probe Molecules in Food」のタイトルで、食品中の水分種状態をプローグ分子とした食品設計技術の報告を行いました。聴衆者からは、設計パラメータの取り扱いや導出方法に関する質疑があり、関連研究者からも注目されました。また、関連技術としては、食品条件の違いによる乾燥食品の品質評価に関し、画像観察を用いた構造変化評価や色彩変化を用いた評価技術などについての情報を得ることができ、これらの関連技術は今年度の取り組みに一部反映させる予定です。また、5月9日のFoodセッションでは、Chairpersonを務めました。


(写真左)発表の様子   (写真右)ポスターセッションの様子

研修会開催

第10回食品・バイオ技術講習会『最新ヒット食品解説』

日 時:平成23年6月1日(水)

講 師:㈱食品新聞社 顧問 村元靖郎 氏

参加者:46名

 商品開発に関する話題をテーマとした講演会を開催しました。講師の先生からは最新のヒット食品について、ヒットの理由、開発の背景・関連技術、ヒットまでの経緯、市場に与えた影響などについて解説していただきました。

         
(写真左)講師 村元 靖郎氏   (写真右)研修会の様子

 

中国大連海洋大学と研究交流協定締結

平成23年3月29日(火)、中国大連市において、大連海洋大学海洋工程学院(Dalian Ocean University)と北海道立工業技術センターは、マリンサイエンス研究の交流に関する協定を締結しました。

【概要】

1 目的

 本協定は、両者が行うマリンサイエンス領域における研究活動(海洋空間情報を活用した沿岸生物相・水圏環境の健全化と高次活用の両立)の交流及び連携を推進し、相互の学術研究の一層の推進と地域産業の振興に寄与することを目的とする。

2 連携・協力事項

 (1)研究交流に関すること。

 (2)人材交流に関すること。

 (3)共同研究に関すること。

 (4)学術セミナー、会議への参加に関すること。

 (5)情報交換に関すること。

■■■函館マリンバイオクラスターの概要はこちらから■■■■■■


(写真左)海洋工程学院長張國勝教授(中央左)と三浦センター長(中央右)  (写真右) 三浦センター長(左)大連海洋大学学長姚杰教授(右)

出張者 : センター長 三浦汀介
        企画事業部 部長 吉野博之
        研究開発部 科学技術コーディネータ 大久保征二
             北海道大学大学院水産科学研究院 教授 齊藤誠一

訪問先 : 中国遼寧省大連市

日 程 : 平成23年3月27日~3月31日

 協定書調印式に先立ち、3月28日に中国遼寧省大連海洋漁業集団公司を訪問及び大連高和食品有限公司を視察しました。
   大連海洋漁業集団公司では、工業技術センター及び函館マリンバイオクラスターを紹介し、特に函館マリンバイオクラスターの研究内容について強い興味を示して頂き数多くの質問がありました。続いて、大連高和食品有限公司の製造ラインを視察しました。南米チリ沖でとれたイカを使って、スルメの極細切りのようなものを製造していました。袋詰めの工程にはかなりの作業員がいましたが、その他の工程は自動化されており、作業員は少数でした。
 3月29日に大連海洋大学にて協定書調印式及び研究交流を行いました。本協定をもとに、より一層のグローバルネットワークの構築・強化を図っていきたいと考えています。   
            
    (写真左)大連海洋漁業集団公司訪問   (写真右)大連海洋大学との研究交流

 

 

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お知らせ

「平成22年度北海道立工業技術センター業務報告」が完成

北海道立工業技術センターの平成22年度の活動状況をまとめた「北海道立工業技術センター業務報告書」ができました。若干の残部がありますので、ご希望の方はご連絡ください。無料で提供しています。

【お問い合わせ】(公財)函館地域産業振興財団  総務部総務課  ℡(0138)34-2600

 

函館マリンバイオクラスターフォーラム&フェスタ2011開催

函館地域では、水産・海洋科学のグローバルなイノベーションの創出により、多様な産業に波及し国際競争に打ち勝つ持続可能なマリンバイオクラスター形成を目指し、文部科学省の地域イノベーション戦略支援プログラム(グローバル型)を実施しています。フォーラムでは、函館マリンバイオクラスターのこれまでの研究成果と事業展開についてご紹介します。

多くの方のご参加をお待ちしております。

【日時】      平成23年7月13日(水)  13:30~17:00

【会場】      函館ロワジールホテル   函館市若松町14番10号

【お問い合わせ】  研究開発部 西田・入江

■■■プログラム・申込用紙はこちらから■■■■■

わくわくサイエンスツアー ~実験と工場見学~ 開催

次代の日本を担う青少年を対象に、楽しみながら科学に接する「科学実験講座」と「ものづくり企業見学会」を開催します。 今回は、気体に関するいろいろな性質について実験室でふしぎをいろいろ体験したあと、実際にガスを扱う工場へ行って、正しい科学の知識を楽しみながら学習します。

【日時】      平成23年8月4日(木)  10:00~15:30

【会場】      北海道立工業技術センター   函館市桔梗町379番地

【お問い合わせ】  企画事業部起業化推進室事業課 金澤

 

■■■わくわくサイエンスツアーのご案内・申込用紙はこちらから■■■■■

 

「制御計測技術」研修会開催

 みなさんはRFIDという技術をご存知でしょうか?身近なところではJRのSuica、電子マネーのEdyにも利用されている技術です。

 今回、RFID技術等に関する基礎から応用事例までを分かりやすく説明し、理解を深めていただくことを目的に、高いRFID技術を有する凸版印刷株式会社の藤井亮司氏をお招きし、実機による製品紹介等を交えた研修会を下記により開催いたします。

【日時】      平成23年7月6日(水)  13:30~15:30

【会場】      北海道立工業技術センター   函館市桔梗町379番地

【お問い合わせ】  研究開発部 機械電子技術科 松村・村田

 

■■■研修会のご案内・申込用紙はこちらから■■■■■

有機酸分析システムの使用料金が決定

HITECニュース平成22年12月号で紹介しました有機酸分析システムの使用料が下記のとおり決定しました。

 最初の1時間 : 7,550円

   2時間目以降(1時間毎) : 450円

有機酸分析は、有機酸を分析するための専用装置で、食品試料から抽出した有機酸を、BTBプレカラム法という方式により高感度で定量できます。また、食品の味評価のための味覚センサ活用マニュアルが改訂されましたのでお知らせします。

【お問い合わせ】研究開発部  吉岡 ℡(0138)34-2600

      
 (写真左)有機酸分析システム   (写真右)食品の味評価のための味覚センサ活用マニュアル

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